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私たちの見解

社内報(社長メッセージ)を読んで

「今年は『攻め』の年です。全ての部門の、全ての人々が協力し合って、シオノギのあらたなチャレンジに向けて行動していきましょう!」と締めくくられています。確かに私たち労働者もシオノギが社会的責任を果たし、健全な発展をしていくことを願っています。しかし、私たち労働者の状況を考えると、本当にそういう気持ちになれるでしょうか?

 新人事制度のもとでのこの3年間で、賃金は人によっては年収百万円以上低下し、*1成果主義賃金で各人の賃金格差は増大し、部門別賃金制度の導入も企てられているのに「全ての部門の、全ての人々が協力し合って」という関係が築けるのでしょうか。

最大限の努力をして新薬を開発しても、外資に売渡しそのロイヤルティが賃金(一時金)に反映されないとしたら、モチベーションは下がる一方です。また、リストラと派遣労働の人たちや関係会社の低賃金、そして新人事制度という正社員への賃下げと言った労働条件の改悪、依然として続いているサービス労働などによって、「第一次中期経営計画」はほぼ100%近い達成率となったのです。

果たして「第二次中期経営計画」はこの上労働者にどんな犠牲を強いるのか。
シオノギも立派な基本方針があるのに、労働者を犠牲にして、企業だけが生き残れるのか。
 
 シオノギの人々の生活の仕方が益々改善せられる。
 シオノギの人々の生活が益々豊かになる。

基本方針のこの部分を経営者は忘れてしまったのか、企業を支えるのは労働者だということを忘れないで欲しい。

*1成果主義賃金

 内閣府の政策統括官室がまとめた論文「企業の賃金決定行動の変化とその背景」には「1990年代には高止まっていた賃金」がどのような要因で低下したかについて、企業のデータを用いて検証しています。それによると、
 
(1)リストラで従業員の賃金への影響力が低下した
 (2)
債務比率の高さが賃金を抑制した
 (3)
結果として成果主義の導入は賃金抑制する効果を持った可能性がある
 ことが検証されたと結論付けています。企業業績が改善しても成果主義の導入などで「賃金の上昇幅は過去と比べて緩やかなものにとどまる可能性がある」としています。
 また、成果主義の採用で社員のやる気が向上し、企業業績が改善するといわれているが、「企業の業績と成果主義賃金の関係はほとんどみられない」と分析。「成果主義賃金を採用している企業は賃金格差も大きい」との推計も紹介しています。(赤旗より)


希望する人が希望職種に付けない継続雇用制度                                                                 

 今年60歳定年を迎える社員の人へ1月13日付で、総務人事部から「継続雇用制度について<募集および応募受付>」が送付されました。その内容は(1)応募資格(2)職種ならびに勤務形態について(3)雇用契約期間(4)労働条件の概要そして募集職種の実例などです。
 
 まず驚いたのは会社側からの一方的な通知だけで、労働組合からの連絡がなかったことです。確かに去年の12月中旬の速報には継続雇用制度について合意したことは載っていましたが、新たに募集職種や業務内容が会社から提示されたわけですから、その内容については組合も組合員全員に知らせるべきではないでしょうか。

また、フルタイム勤務者の募集職種の業務内容が職制それも特定の人を対象したのではないかと思わせる内容になっており、予定人員も少なく設定するようです。これから推察すると希望する大多数の人はパートタイム勤務になりかねません。

今年4月から施行される「改正高齢者雇用安定法」により企業は段階的に65歳までの継続雇用制度を実施することが義務付けられます。原則は希望者全員を継続雇用制度の対象としなければなりません。ただし、これにも抜け穴があります。

労使協定により継続雇用制度の対象となる労働者の基準を定めたときは、希望者全員を対象としないことも認められています。さらに継続雇用に際しての雇用形態・労働条件の制約もありません。つまり、65歳までの雇用が確保されていればその形態について法律的には制限はありません。

しかしこれは、中小企業などの実態を考慮したもので、大企業であればフルタイム勤務を希望する人は全員、現職場で継続してフルタイム勤務させるのが当然であり、研究・技術の継承、品質心配など会社幹部が真剣に考えているのか疑ってしまいます。

ある労働者はこの内容をみて、「ひどいなー、シオノギの名が泣くで」と言っていました。目先の利益(パートタイム勤務者は週30時間未満なので会社は雇用保険を払わなくてもいい)ばかり考えていては、会社は伸びませんし、社長の言っている「攻め」の気持ちにはならないでしょう。私は会社の再考を訴えます。


サラリーマン・庶民いじめの大増税

 自民党政府は総選挙のマニフェストでサラリーマン増税はしないと言っていたのに選挙が終わるや増税の嵐・・・なんでこうなるの!
大増税の嵐
@  半減が確定している定率減税を2007年に全廃
(所得税20%住民税15%の定率減税全廃・・・サラリーマン増税)
A  消費税の税率アップ
B 「第三のビール」の増税
C 環境税と称して電気・ガス・灯油などに税金を掛ける
特にサラリーマンは
定率減税全廃と消費税税率アップでサラリーマンの手取り2か月分が吹き飛ぶ大増税

現在年収500万円の人の場合(4人所帯)
     給与所得控除半減
     定率減税廃止
     配偶者控除廃止
     扶養控除廃止
上記によって、課税される所得が  119万円  →  335万円になる
そのため所得税・住民税は下表になる 

 

現行の場合

増税の場合

所得税

119,000

340,000

住民税

64,600

240,000

合計

159,000

580,000

                   上記の差  約42万円が負担増       
消費税
  政府の家計調査を基に税率5%で年収500万の家庭は約13万円負担
  10%になれば、さらに13万円の負担増になる 

定率減税全廃などによる所得税・住民税と消費税アップによって、55万円の増税になります。
年収500万円でのボーナスを3ヵ月分として計算すると、1ヵ月の手取りは約27万円程度になるので、55万円の増税は手取り2ヵ月分が消し飛んでしまうことになる。

     4人家族の増税グラフ(年間)
         専業主婦と子供2人の場合
       (内1人は16から22才)






これまでに実施または
計画の負担増

 配偶者特別控除廃止      
 健康保険料引き上げ       健康保険本人負担引き上げ    

 雇用保険料引き上げ       
 介護保険料引き上げ       
 厚生年金保険料引き上げ


 1999年に景気対策として所得税や住民税の定率減税と大企業減税がいっしょにやられた。ところが、廃止されようとしているのは定率減税だけ。

 「自民党をぶっつぶす」といって首相になった小泉さん! 庶民の暮らしをぶっつぶしてどうするの〜。

組合機関誌の巻頭言を読んで

  組合機関誌「オールシオノギ」7月号の木村執行委員長の巻頭言を読みました。

 マクレガーの「X理論・Y理論」について書かれていますが、この理論は経営者向けの理論であって労働組合が考えることではないと思います。それも組合の機関誌に載せるべきものでしょうか?

 また、巻頭言では一人ひとりがプロフェッショナルになるよう体質改善を求めています。

 しかし、シオノギの人たちは会社に入って、日々プロフェッショナルになるように努力してきたと思います。組合執行部はそのように捉えてないのでしょうか?もし、モチベーションが上がっていないように見えるのなら、それは、近年の不必要なまでの人員削減、賃金給与制度の改悪に原因があるのではないでしょうか。今の成果主義の賃金制度では直接生産性向上に結びつかない仕事はしなくなったし、「改善」もなくなりました。

 労働組合は、半世紀も前に生まれた理論に振り回されるのでなく、もっと現場で働く労働者の意見を真摯に受け止め、給料や福祉厚生、作業環境、人員配置などの労働条件を下げないで安心して楽しく働ける「労働環境の改善」に努めていくことが、結果として「良い会社」を作ることになるのではないでしょうか。

会社は人で成り立っています。その人々を大切にする会社にしたいものです。

JR宝塚線(福知山線)の脱線事故を考える

 JR宝塚線(福知山線)の脱線事故は輸送の安全という鉄道本来の使命を忘れた、もうけ第一のやり方が引き起こしたものだと思います。

 集客競争のために高速・超過密ダイヤを組み、運転手には無理やり秒単位でダイヤを厳守させるJR西日本の経営姿勢が事故の背景要因でしょう。

 でもよく見ると、似たような経営姿勢がシオノギでも見受けられますね。
 朝早くから夜遅くまで秒単位の生産で追いかけられるように走り回る作業者。
 しかもトラブルで機械が止まると、上司の最初に出てくることばが「だれがやったんや」です。
 停止原因が何なのか、なぜトラブルが発生したのかは二の次で、「早く動かせ」、「早く生産しろ」です。

 また、トラブルが人為的ミスの場合には、その人をさらし者のようにして、朝礼などで本人に報告させる。その結果、さらし者にされるのがいやでミスを隠すようになる。

 シオノギもまったくJR西日本と同じ体質だと思いませんか。

 私たちはこう考えます。

上司はミスを起こした本人を叱るのではなく、人為的ミスを起こさないような設備や、起こった場合でもそれをカバーできる「人に優しい設備」にするための改善と予算化する行動が必要です。それが上司の責任です。

さらに長時間で深夜まで生産する過酷な勤務体制を改め、人員を増やすなど人為的ミスを起こしにくい勤務体制にすべきでしょう。

シオノギの未来はどこへ?                    

 今、薬業界においても、次々と合併や持株会社化がすすめられていますが、この問題は、私たちシオノギに働くものにとっても「うちの会社はどうなるのだろうか」との不安とともに、非常に関心のあるところです。
 会社は、数回にわたる大規模なリストラを行い、労働者に大きな犠牲を押し付けながら、医療用医薬品分野へ業務基盤を集中してきました。

 社長は繰り返し「存在感のある強いシオノギ」を実現しようと強調しています。
 年頭の「社内報」で、今年がシオノギにとって最も重要な年であることを強調し、経営機構を改革、期待される新製品の発売、「行動方針」を制定したことなどを述べていますが、全体として抽象的で、経営陣が、会社の現状をどうとらえ、どう責任を感じ、今後どうしょうとしているのかなど、肝心な点がもう一つ見えてきません。
 
 
私たちはこう考えます。

 製薬会社で働き、人々の健康に奉仕するという仕事は、「やりがい」や「誇り」をもてる仕事です。
 そのために、その仕事にたずさわっている従業員が健康で安心して仕事に専念できる環境をつくることが経営陣の責任です。

 経営陣に望みたいのは、安易なリストラに頼らず、従業員みんなの力を信頼して、シオノギの未来を見出していくべきではないでしょうか。
 私たちは、従業員の犠牲の上に立つ「改革」には反対です。


扶養給をはじめとした諸手当があぶない!           


  見直された諸手当はどこへ行くのか?

 扶養給をはじめとした諸手当の見直し、廃止がすすめられようとしています。その理由が成果主義・能力主義賃金になじまない。仕事と直接、関係ない手当ては働きがいを阻害する。対象外の人にとっては不公平、差別感をもたらす。
 などなど・・・


 最近の職場常会では次のような意見がでていました。
確かに名目は扶養給かもしれませんが、実際は生活の一部となっているため、なくなると生活に支障が出る。
移行給、調整給の廃止に続き扶養給が廃止になれば、10万円以上給料が減る。
今、昇格が難しい状況であり、昇給が少ないなかで扶養給がなくなれば、生活がなりたたない。
もう一人子どもがほしい世代は、給料が減ると子どもをつくることに悩む。少子化につながる。
昔は扶養給、住宅給がありませんでしたが、結婚する世代や子どもを扶養する世代の給料が、他社に比べて低いため導入されたものではありませんか。

 私たちはこう考えます。

 扶養給をはじめとした諸手当は、結婚したり、子供が出来たときに支給されるもので、ほとんどの組合員が対象になっています。また将来対象になることを考えれば不公平感、差別感があるとは思えません。むしろ諸手当を充実させ、子育てしながら安心して働ける環境づくりをすべきではないでしょうか。
 
 

あらゆる職場に広がりつつある不払い残業

労働者にとってサービス残業は自分の安売り行為と同じことです。欧米では考えられないことです。



 
最近、研究・開発などの業務で導入されているフレックスタイム制は、仕事の実態に対応した働きやすい制度のように言われていますが、実態は制限のないサービス残業の温床になっています。工場でも間接部門ではサービス残業が恒常化していましたが、最近では人員不足から、製造現場でも広がりつつあります。
 サービス残業は、社会問題としてクローズアップされ、厚生労働省の通達も出され、違法行為が明らかになれば摘発されます。

  新聞紙上でも大手企業の不払い労働の実態があきらかになり、裁判でも労働者側の勝訴判決が報道されています。シオノギの労働組合も不払い労働の撲滅キャンペーンを打ち出し、運動方針にも掲げています。しかし、人員が不足していること、そのために一人ひとりの仕事量が増加していることが問題であり、適正な人員配置が必要として労働組合が取り組まないと解決しません。労働組合の対応に期待します。

 不払い労働は法律違反のやってはいけない犯罪であり、企業は社会的存在として、社会のルールを率先して実践する立場にあります。サービス残業をなくすと、160万人の雇用と莫大な経済効果が生みだされるという試算もあります。会社に、社会的ルールを守らせる運動を大きく広げると同時に、私たち一人ひとりも労働者として自分の安売りをやめ、
今一度、自分の働き方を見つめ直してみてはどうでしょうか?




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