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世の中のうごき

軍事同盟は「20世紀の遺物

日本共産党の第25回党大会決議案に取りあげられている「世界と日本」の問題。2回目は
「日米安全保障条約」が改定された1960年(昭和35年)以降の半世紀で、軍事同盟をめ
ぐる世界の情勢がどう変化したか、です(内容は「しんぶん赤旗」の記事からです)。

1.半世紀の間の巨大な変化

   

  (比率はそれぞれ当時の国連加盟数と人口の比。人口には植民地を含む)

 1960年から現在に至る半世紀の間に、世界は、軍事同盟から抜け出して、外部の仮想敵を持たない、開かれた地域の「平和共同体」が広がるという方向に変わりつつあります。 共通の仮想敵に対して二つ以上の国が条約を結び、軍事上の共同行動を約束するのが軍事同盟です。第二次世界大戦後は、イデオロギーと社会体制の違いを理由に、米国と旧ソ連をそれぞれの盟主とする二つの陣営が対立する形で軍事同盟が張りめぐらされ、核兵器を含む軍拡競争と国際緊張の要因となってきました。

0012.JPGしかしその後、自立を求める各国の国民の運動や非同盟
諸国運動の発展で軍事同盟は次第に衰退の道をたどり、
旧ソ連を中心とした軍事同盟は、1991年のソ連崩壊
とともに基本的に解体・解消し、米国主導の軍事同盟も、
次々に解散か機能停止しました。

 現在、実態的に機能しているものは、北大西洋条約機
構(NATO)、日米、米韓、米豪の四つの軍事同盟だ
けです(上のグラフ参照)。

 日本共産党第25回大会決議案は「人口の67%から16%に−半世紀前に軍事同盟に覆われていた世界は、大きく変わった。軍事同盟は、21世紀の今日の世界で『20世紀の遺物』というべき、時代錯誤の存在となっている」強調しています。いまだに日米軍事同盟にしがみつく日本政治の異常さが際立つようになってきていますが、みなさんはどう思われますか。

2.解体・機能停止した主な軍事同盟(加盟国は1960年当時) 

テキスト ボックス: 米国を盟主とする軍事同盟



 ■東南アジア条約機構(SEATO)
・1955年発効。ベトナム侵略戦争での米国の敗北により存在意義を失い、1977年解散。 ・加盟国=米国、豪州、フランス、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、タイ、英国
 ■中央条約機構(CENTO)
・1955年発効。イラン革命後、イランとパキスタンが脱退し、1979年解散。
  ・加盟国=米国(オブザーバー)、英国、トルコ、パキスタン、イラン
 ■アンザス同盟(ANZUS)

・1952年発効。非核政策を打ち出したニュージーランドに対し、米国は1986年に条約 上の義務を停止。
  ・加盟国=米国、豪州、ニュージーランド
 ■米州相互援助条約(リオ条約)
・1948年発効。2004年にメキシコが脱退、中南米諸国が米国を除く地域機構の創設に 動き出すなどする中で、事実上の機能停止に。
  ・加盟国=米国、ドミニカ、パナマ、コロンビア、ホンジェラス、エルサルバドル、
   ブラジル、ハイチ、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ、ニカラグア、メキシコ、
   コスタリカ、チリ、アルゼンチン、ボリビア、ペルー、エクアドル、グアテマラ

テキスト ボックス: 旧ソ連を盟主とする軍事同盟

 ■ワルシャワ条約機構(WTO)
・1955年発効。ソ連・東欧の崩壊の過程で1991年解散。
  ・加盟国=ソ連、ポーランド、チェコスロバキア、ブルガリア、東ドイツ、ハンガリー、       ルーマニア、アルバニア)

 ■中ソ友好同盟相互条約
・1950年発効。中ソ対立で機能停止、1980年失効。
  ・加盟国=ソ連、中国

                            

 

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