一ホームページ読者
「しんぶん赤旗」日曜版の「経済これって何?」という連載欄に、上記タイトルの記事が載っていました。
アメリカ大企業のCEO(最高経営責任者)たちで構成される財界団体(ビジネス・ラウンドテーブル)の新宣言が話題になっています。
同団体は1997年に「企業は主として株主に奉仕するために存在する」と、「株主第一主義」を宣言しました。8月19日に発表した新宣言(企業の目的に関する宣言)は、この考えを大きく変え、企業の目的は、すべての利害関係者(ステークホルダー)に奉仕することだとのべ、大きな注目を浴びています。
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新宣言は利害関係者として顧客、従業員、供給業者(部品など)、地域住民、株主の5者をあげ、次のような約束を掲げています。
▽顧客に価値あるものを届ける▽従業員に公正な給料を支払い、彼らの技術や能力の向上に注力する▽供給業者と公正かつ真摯(しんし)に取引し、大小を問わずほかの企業との良き協力関係に寄与する▽地域住民に貢献し、企業活動を長期に維持可能とすべく環境を保護する▽株主には長期の価値を生みだし、透明性を保ち、効果的な関係を維持する―。
新宣言では、企業、地域、国の将来的な成功のために、それらすべての価値をかなえることにかかわるとしています。
アメリカで企業の成長を最優先する新自由主義的な考えが導入されてから、企業経営は根本的に変りました。企業統治(コーポレート・ガバナンス)は株主のためにあるということが公然と主張され、労働者の賃金は削っても、株主への配当は減らさず、株価を上昇させ続けることが、企業のCEOの役目であると言われ続けてきました。
そうした経営をしないCEOは、株主から断罪され、容赦なく首を切られる「株主資本主義」が理想のモデルとされてきました。
しかしその結果はどうだったでしょうか。新自由主義にもとづく規制緩和と金持ち優遇税制によって、一部の富裕層が巨万の富を築く一方で貧困が広がり、貧富の格差が極端に開きました。それによって社会的にきわめて不安定な状況がつくり出されています。
エネルギー業界の利益優先で化石燃料野放しのトランプ政権は、地球温暖化対策に背を向けています。多くのアメリカ国民に負担を強いる対中高関税措置を取り続けていることも、国民の不安をあおっています。こうした社会不安のまん延が、大企業のCEOたちにも実感される状況になっているのです。
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来年の大統領選では、民主党の多くの候補者が地球温暖化に警鐘を鳴らしています。
エリザベス・ウォーレン上院議員、バーニー・サンダース上院議員らは、富裕層優遇の政治から99%の庶民の政治への転換を訴え、
萩原伸次郎(はぎわら・しんじろう 横浜国立大学名誉教授)
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