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「過労うつ解雇」差し戻し判決 東芝に賠償金6千万円支払い命令
                            
しんぶん赤旗読者

 みなさん、こんにちは。
 4月に、田辺三菱製薬(株)が「やめさせ出向」を撤回したとの「しんぶん赤旗」報道を紹介しました。
 今回は、東芝が過労で「うつ病」になった重光由美さん(50歳)を解雇した事件で、重光さんの最高裁勝訴で差し戻された東京高裁の判決が、8月31日に出たニュースを紹介しましょう(91付・日刊紙から)。

  〔判決内容〕 東京高等裁判所の奥田正昭裁判長は、東芝に対し休業損害や慰謝料、見舞金など
       と遅延損害
金あわせて6千万円以上を支払うよう命じました。解雇無効はすでに確
       定しています。
        最高裁判決を受けて、重光さんの職場復帰に向けた和解協議が行われていました
       が、会社側
から希望しない職場と社員平均年収を下回る賃金が提示されたため和解
       が決裂、判決に至りました。

 〔事件経過〕 重光さんは2001年1月、埼玉県深谷市の工場で、当時、世界最大サイズの液晶画
       面の製造
ラインを短期間で立ち上げるプロジェクトリーダーとなりました。しかし
       長時間過重労働によって休職し、
20049月に休職期間満了を理由に解雇されまし
       た。
2011年2月の東京高裁判決は、解雇を無効としましたが、重光さんが通院歴を
       会社に申告しなかったことを過失とみなして損害賠償を2割減額する不当な認定を
       しました。
2014年の最高裁判決は「労働者本人から積極的に申告されないことを前
       提として、労働者の健康に配慮する必要がある」と指摘しました。今回の差し戻し
       判決で損害賠償金が大幅に増額されています。

 東京高裁内で会見した重光さんは、「この裁判が過労やパワハラで被災する人が減ることに役立ってほしい。
 東芝は、メンタルヘルス対策をしていると公言しているので、きちんと対応してほしい」と述べています。 
  「しんぶん赤旗」の田代記者は、「原告の重光由美さんが勇気をもって裁判に立ち上がったこと
で、労働者の権利を前進させ、過労を防ぐ重要な成果を生み出しました。職場復帰に向けて東芝との協議が続きます」と書いています。


 多くの職場で「過労」が大きな問題となっていながら、安倍政権は、一定の条件をつけて労働時間規制の適用を除外する「高度プロフェッショナル制度」を作ろうとしています。労働者がさらに過労状態に追い込まれる恐れがあります。これに対して野党4党も長時間労働規制法案を提出しています。 
 9月26日開催予定の臨時国会審議での焦点の一つとなると思われます。みなさん注目しておきましょう。