ご存じのように、皇室典範に関する有識者会議は、女性・女系天皇容認に踏み切りましたが、この本の著者は言っています。「だが待てよ。一人の女性の、敢えて言えば『犠牲』によって天皇制を存続させようとするのは、もってのほかだ。高齢による天皇の退位は議題にすらならなかった。いま考えなければいけないのは、こういう制度がこれからも必要なのかということだ。」
僕がこの本をぜひ読んでもらいたいと思うのは、天皇や皇室について論じているものでありながら、日本の国のあり方を考えさせるものとなっているからです。
今、「憲法」や「教育基本法」を変えようという動きが急ですが、それらについても考えるヒントを与えてくれます。
もう一つ。
著者はまた、「橋のない川」で知られる作家住井すえが「九十歳の人間宣言」という本の中で、天皇制についての次のように語ったことも紹介しています。
「天皇の地位が世襲であるかぎり、世襲というのは封建主義ということなんです。封建社会というのはどういうことかというと、世襲で家柄が決まっていく。世襲、すなわち封建なのです。
日本が敗戦後民主国家になったのなら、天皇は、当然、選挙で選ぶべきものなんです。それをだれも選挙で選ぼうと言わないし、天皇もまた、『ぼくは選挙で選んでもらったのではないから、その席にはつけない』とも言わずに、変なものを着て、変な儀式をやって、天皇で通るという、これは、日本はまだまだ民主国家じゃないんですね。」
みなさんはどう思われますか。
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