第1回のテーマ
概要「日本共産党の紹介」シリーズ(27)
日本共産党綱領 第5章
社会主義・共産主義の社会をめざして(第8回)
党綱領未来社会への道筋について
全過程を国民の合意のもとで
綱領第16節の冒頭は次のように示しています。
「社会主義的変革は、短期間に一挙におこなわれるものではなく、国民の合意のもと、一歩一歩の段階的な前進を必要とする長期の過程である。
その出発点となるのは、社会主義・共産主義への前進を支持する国民多数の合意の形成であり、国会の安定した過半数を基礎として、社会主義を目指す権力がつくられることである。そのすべての段階で、国民の合意が前提となる」。
未来社会の建設も統一戦線で進める
「日本共産党は、社会主義への前進の方向を支持するすべての党派や人々と協力する統一戦線政策を堅持し、勤労市民、農漁民、中小企業家にたいしては、その利益を尊重しつつ、社会の多数の人々の納得と支持を基礎に、社会主義的改革の道を進むよう努力する」。
統一戦線の政策を、民主主義革命や民主連合政府作りの段階だけの問題とは考えていません。社会主義の段階では、「社会主義への前進の方向を支持するすべての党派や人びと」と協力する社会主義統一戦線の政策でこの変革を進めるというのが、基本方針です。
挑戦と開拓の過程――いまから青写真は描かない
日本における社会主義への道を展望して、次のように示しています。
「日本における社会主義への道は、多くの新しい諸問題を、日本国民の英知と創意によって解決しながらすすむ新たな挑戦と開拓の過程となる」。
生産手段の社会化という方向や、社会にどんな変化が生まれるかなどの大局は「科学の目」でつかむ努力をし、到達点を綱領に示しましたが、その方向がどういう具体的な形態で実現するかなどについての青写真を描くことはしていません。先々を予見していまから描ける性質のものではないからです。
「市場経済を通じて社会主義へ」
路線の問題です。
「市場経済を通じて社会主義に進むことは、日本の条件にかなった社会主義の法則的な発展方向である。社会主義的改革の推進にあたっては、計画性と市場経済とを結合させた弾力的で効率的な経済運営、農漁業・中小商工業など私的な発意の尊重などの努力と探求が重要である。国民の消費生活を統制したり画一化したりするいわゆる『統制経済』は、社会主義・共産主義の日本の経済生活では全面的に否定される」。
ここでは、市場経済に関わる基本問題に続いて、経済の運営の上で注意すべき点、ソ連流『統制経済』の否定など三つの問題を示しています。
次回は、綱領シリーズの最終回とし、17節を取り上げたうえで、若干の感想を示したいと思います。
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