第1回のテーマ
概要「日本共産党の紹介」シリーズ(26)

日本共産党綱領 第5章 
社会主義・共産主義の社会をめざして(第7回)

党綱領未来社会論
民主主義と自由など価値ある成果の発展的な継承
 「社会主義・共産主義に日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる。『搾取の自由』は制限され、前進のなかで廃止をめざす、搾取の廃止によって、人間が、ほんとうの意味で、社会の主人公となる道が開かれ、『国民が主人公』という民主主義の理念は、政治・経済・文化・社会の全体にわたって、社会的な現実となる。
 さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される。『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、厳しく退けられる」。 

日本共産党は、上記に示された立場を受け継ぎ、1976年の第13回臨時党大会で採択した「自由と民主主義の宣言」で、その立場を全面的に展開しました。個々の点では、多少古くなっているところもありますが、その全体的な立場は、新しい綱領に織り込まれています。

 国家が不必要になる共同社会
 「社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき、原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望が開かれる」  

国家という組織は、権力の強制力を持ってその統治下の人々を従わせるところに特徴があります。人類史のあけぼの時代、人間が原始的な共同体をつくって暮らしていた原始共産主義の時代には、そのような強制力を持った組織は必要ありませんでした。社会が諸階級に分裂し、搾取する階級と搾取される階級とに分かれた時に、搾取する階級の支配のもとに社会の全体を統合するために、国家という強制機関が必要となり、国家が歴史の中に登場したのです。 

人類の「前史」から「本史」への発展
 「人類は、こうして、本当の意味で人間的な生存と生活の諸条件をかちとり、人類史の新しい発展段階に足を踏み出すことになる」と、党綱領の第15節は結んでいます。 

資本主義社会から未来社会(社会主義・共産主義の社会)への転換を、人類史における「前史」から「本史」への発展と呼び、「人類史の新しい発展段階」とは、人類の「本史」のことを指しています。

 次回は、未来社会への道筋について取り上げてみたいと思っています。

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