第1回のテーマ
概要「日本共産党の紹介」シリーズ(22)
日本共産党綱領 第5章
社会主義・共産主義の社会をめざして(第3回)
なぜ、「社会主義的変革」と呼ぶのか……「社会主義革命」ではないのか
綱領では、第5章の冒頭で、次のように記しています。「日本の社会発展の次の段階では、資本主義を乗り越え、社会主義・共産主義の社会への前進をはかる社会主義的変革が、課題となる」。
「革命」という言葉は、「国の権力が一つの勢力から別の勢力の手に移る」という事を意味しますが、権力の移行がいつも同じような形で行われるか、といえば簡単にそうは言えない状況があると考えられるからです。
国民の意識の発展とともに政権そのものも発展し、これまでとほぼ同じ政権が、より進んだ課
発達した資本主義国で社会主義的前進をめざす
もともと、社会主義というのは、資本主義制度の最高の成果の上に、経済的発展のさらに新しい段階を切り開く、というのが本来的な展望で、この面でも、未来社会につながる性格を持っている社会形態です。これまで、社会主義をめざす道に踏み出した国々が、資本主義的には遅れた国々であったために、この本来的な展望が現実の姿とならないまま出来たのが、実態でした。
資本主義の矛盾――貧富の格差の拡大
カール・マルクスは、資本主義社会の徹底的な研究のもとに、この社会の体制そのものの中に人々を社会主義革命に向かわせる必然性が存在することを「証明」し「資本論」で明らかにし、その際指摘したのは、大きくいって、次の二つの問題でした。
一つは、資本主義社会の推進力をなす利潤第一主義が、一方では、社会的生産の担い手である労働者階級に対する搾取と抑圧の増大、他方では、資本家階級、特に巨大資本家の手中への富の集中、この二つの極への社会の分化を必然の傾向としており、貧富の社会的な格差の増大に基づく社会的な矛盾の成熟が避けられないこと。
もう一つは、資本主義社会では、生産力の不断の増大が経済の法則となりますが、その生産力の管理・運営は自らの利潤を追求する個々の資本の自分勝手な行動に委ねられているために、恐慌・不況に周期的に襲われるという、体制の根本に関わる致命的な病気から免れえないこと。
これらの矛盾は、19世紀から20世紀へ、20世紀から21世紀へと、世紀を新たにするごとに、いよいよ鋭い形態をとるようになってきました。そして21世紀を迎えて、いよいよ資本主義制度の存続の是非が大規模に問われるような段階に入ってきたと、私たちは考えています。
次回は、続きとして、“あとは野となれ山となれ”方式の深刻な表れ――地球環境の危機についてです
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