第1回のテーマ
概要「日本共産党の紹介」シリーズ(20)

日本共産党綱領 第5章 
社会主義・共産主義の社会をめざして(第1回)

21世紀にいきる政党として、日本社会発展のその先の問題、未来社会の問題でも、当然綱領の中で明らかにしています。その立場は、「未来社会論」ともよんでいるものです。
 2004年1月の第23回党大会で綱領の全面的な改定を行いましたが、この最後の章は一番大きく書き換えています。その書き換えの特徴点から説明してゆきたいと思います。

(1)レーニン以来の未来社会論には大きな問題があった……レーニンの独創だった。
 これまでは、社会主義の段階があって、それから共産主義にゆくという二段階論が、90年近く世界の“定説”となっていました。
 マルクスも、エンゲルスも、「社会主義」「共産主義」の言葉を未来社会を表す同じ意味の言葉として使い、その時々のヨーロッパの運動の中で使い分けをしていたことが反映していました。
(2)経済のすすんだ国の挑戦として、世界で先例のないもの
 資本主義の時代に高度な経済発展を遂げた日本国民が、よりすすんだ社会をめざして、社会主義・共産主義の社会を探究する道に踏みだしたとしたら、それは文字通り、世界の歴史にいまだ先例がない、新しい事業になります。
 経済力の弱いところから出発した国々(ソ連や中国等々)の実態から推し量ることは、全く見当外れの議論になるでしょう。
(3)切り替えのかなめは「生産手段の社会化」
 社会主義をめざすという事は、どういうことか。今資本主義が落ち込んでいる矛盾は、生産力があまりにも巨大になり、それをうまく管理できないでもてあましています。資本主義の矛盾と危機といわれるものの根源に必ずこれがあると言えます。
 地球環境の危機問題、恐慌・不況の繰り返し、貧富の格差の拡大など、……経済を動かす原動力が、個々の資本の儲けの追求という点に一番の根っこがあります。
(4)「資本が主人公」の社会から「人間が主人公」の社会へ
 「生産手段の社会化」に社会が踏み出したら、人間社会の前には、資本主義の下では考えられなかった、いろいろな新しい展望が開けてきます。
 生産や経済が、資本の儲けのためではなく、社会のために働くようになります、社会を構成しているのは人間ですから、人間のためという事が経済の第一の目的となります。
 環境問題を見ても、儲け本位で勝手放題にやってはだめだ、経済への計画的な働きかけが大事だとなります。
 社会主義は能率が悪いものだと言われてきましたが、社会主義が悪いのではなく、官僚主義の体制が悪かったところにあります。
 ムダのない経済運営が出来て、資本主義の時代以上に生産力の発展に道を開くことも出来、生産手段を社会化したら、新しい展望が人間社会の前に開けます。

次回は、スペースがなくなりましたので(第5章)を、続きとしたいと思います

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