第1回のテーマ
概要「日本共産党の紹介」シリーズ(14)
日本共産党綱領 第3章 世界情勢――二〇世紀から二一世紀へ(第3回)
第9節では、世界資本主義の現状分析を行っています。この節の叙述の順序と全体の注意点から、進めていきたいと思います。
最初の段落は、「ソ連などの解体は、資本主義の優位性を示すものとはならなかった。巨大に発達した生産力を制御できないという資本主義の矛盾は、現在、広範な人民諸階層の状態の悪化、貧富の格差の拡大、繰り返す不況と大量失業、国境を越えた金融投機の横行、環境条件の地球的規模での破壊、植民地支配の負の遺産の重大さ、アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの多くの国ぐにでの貧富の増大(南北問題)など、かつてない大きな規模と鋭さをもって現れている。」と示しています。
例えば、地球環境破壊の問題では、オゾン層の破壊や地球温暖化の危険として大問題になっています。地球が持っている“生命維持装置”――人類やその他の生物が地上で生存できるようにしている環境条件――を根底から覆す環境破壊です。この“生命維持装置”は30億年以上の年月をかけた自然と生命体の共同作業で作り上げてきたものです。資本主義の最近数十年の経済活動で崩壊の危機にさらされるるようになりました。これを解決する能力がないとしたら、まさに資本主義が地球の管理能力を失っているという事の証明に他ならないでしょう。
次の段落(第2段落)では、核戦争の危険が引き続き地球と人類を脅かしている事を明らかにし、軍事ブロック体制の強化や、紛争の解決で、武力解決を優先させる企ての危険性(第3段落)など、政治的な諸矛盾に目を向けています。(以下に綱領を引用しておきます)。
「核戦争の危険もひきつづき地球と人類を脅かしている。米ソの軍拡競争の中で蓄積された膨大な量の核兵器は、いまなお人類の存続にとっての重大な脅威である。核戦争の脅威を根絶するためには、核兵器の廃絶にかわる解決策はない。「ノー・モア・ヒロシマ、ナガサキ(広島・長崎をくりかえすな)」という原水爆禁止世界大会の声は、世界の各地に広がり、国際政治のうえでも、核兵器廃絶の声はますます大きくなっているが、核兵器を世界戦略の武器としてその独占体制を強化し続ける核兵器固執勢力のたくらみは根づよい。
世界のさまざまな地域での軍事ブロック体制の強化や、各種の紛争で武力解決を優先させようとする企ては、緊張を激化させ、平和を脅かす要因となっている。」と示しています。
○核兵器の問題では、2017年7月、国連において核兵器禁止条約が採決されましたが、59カ国が今日署名し、14カ国が批准しています。条約発効には、50カ国の批准が必要ですが、条約には、122カ国が賛成した事は重要な点です。肝心なのは、世界でただ一つの被爆国である日本政府が、「核抑止」論をたてに、批准への否定的言動を取っている事です。
次回は、9節の後半で、アメリカの一国覇権主義について示したいと考えています
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