バナー

 

職場だより

誰のための「人事制度」改定か    
                                                     職場の一雑草

「人事制度」改定についての説明会が組合からではなく会社から実施された。
 説明では、来年
4月から「人事制度」の改定を労使で決定し、6月から賃金に反映させるというスケジュールが示された。程なく組合員には職場常会で説明された。今回は配偶者の扶養給(三万三千円)の問題をとりあげて考えてみる。(今後、数回にわたり連載する予定)

これはどう見ても会社の提案は、労働組合に申し入れ交渉するということではなく、はじめから結論ありきでそのためにはいついつには何をしなければならないという、スケジュールに基づいているとしか考えられない。しかもその期間がこれだけ重要な内容にもかかわらず、非常に短い。これで組合員に納得させるにはかなり無理があるといわざるを得ない。なぜこのようなことが出てきたのか。説明では以前から成果主義にあわないからと、なくす事をもくろんでいた節はあるが、組合員の反撃にあい実施できなかったことも事実で、なぜ今なのかの疑問は残る。(サイエル社を買収した際の借金を早く返済するためではないかと憶測する意見も多くある)

組合は組合員の生活の維持向上を言うのであれば、たとえ配偶者の扶養給支給対象者が一部(といっても何人かは発表していない)の組合員であっても明らかに賃下げになるのであれば反対するべきではないのか。このような大きな問題については、大会に出席している代議員だけで決定するという現在のやり方ではなく、組合員の意思はどこにあるのか、組合員一人ひとりに賛否を問う方法にしてはどうか。
 はじめにスケジュールありきというような、このようなことがまかり通るとすれば、どんな労働条件でも会社の提案が組合員の意思を無視して成立することになる。それは労働組合の本来の役割の崩壊、あえて言えば「死」を意味するのではないでしょうか。そのようなことにならないよう、今はほとんどのことについて会社の言いなりになっているようにしかみえない組合執行部に再考をうながしたい。

会社もこのような不況・物価高のもと、労働者の賃下げを画策することは、モチベーションを下げることになるとは思わないのか。多くの労働者はもう知っている。「成果主義でがんばった人には成果に応じて給料が多く支払われているということが幻想であることを」。「新人事制度が始まってからでも、以前からでもがんばったが上がらなかったことを」。「ごくごく一部の人しか上がっていないことを」。もしそんなことはないというのであれば上がった内容を具体的に公表できるはずだ。

いろいろな口実をつけて出来ないとしてきているのは、そうでないからではないのか。
 しかし公表することが、モチベーションにつながるとしたらやるべきではないのか。

 欠陥だらけの新人事制度(成果主義)を改めさせ本当の意味で組合員の仕事に対するモチベーションをあげることは安定した生活のうえにこそ成り立つということを会社も組合執行部も知るべきだ。

  ○関連リンク先