7月22日に政府が今年の「労働経済白書」を発表しました。
といっても一般的にはなじみのうすいものであり、いったいどこで見ることができる
のかといった感じのものかもしれません。
しかし、今回の「労働経済白書」には注目すべき内容が載っているのです。
それは非正規雇用と成果主義賃金が労働意欲も生産性も低下させると分析し、見直し
を求めているのです。
「しんぶん赤旗」の報道によれば「労働経済白書」は次のように述べています。
●満足度が低い
「業績・成果主義的賃金制度の導入に伴い、特に、大卒ホワイトカラーにおいて、
40歳台から50歳台の賃金格差が拡大しているが、自らの賃金や処遇に納得でき
ないまま、意欲を失い、ただ無為に勤続期間だけがのびていくという労働者も少な
くない」
●多くの問題点
「どの産業でも、満足度が低下したとする労働者の割合の方が高く、正規の従業員
を絞り込んだことや、広く導入された業績・成果主義的な賃金制度の運用などには
多くの問題点があったことがうかがわれる」
●根本から考えなおす必要
「柔軟な就業形態は、企業にとってコスト負担の低い就業形態として活用されてい
るが、それはコスト削減には有効であっても、労働者の職業能力の向上を通じた労
働生産性の向上にはつながりにくい」
「長期的に考えてみると、賃金や賃金制度を、労働者の動機付けに直結させること
について、根本から考え直す必要もある」
「しんぶん赤旗」は、これは財界と政府が押しすすめてきた労働・雇用戦略の破たん
を示すものと指摘しています。
シオノギにおいても成果主義と非正規労働者の導入が推し進められ、このホームペー
ジでも様々な問題点があげられてきました。
減らない「サービス残業」、減らないメンタルヘルス不全の労働者、技術継承不足に
よる減らない製品事故、派遣で働く人たちが低い労働条件で働かざるを得ない制度など
など。
経営陣には今回の「労働経済白書」をぜひ見てもらい、企業の社会的な責任とは何か、
健全な企業発展とは何かをぜひ考えてもらいたいと思います。
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