― シオノギで働く派遣の人たちに問題はないのか
ホームページ読者 山田 一
2月8日の衆議院予算委員会で、日本共産党の志位委員長が、貧困と格差の広がりが問題とな
っている背景には雇用問題、とりわけ派遣労働の問題があることをとりあげて、政府・与党に迫
りました。
「しんぶん赤旗」によれば、この質問について新聞やテレビなど一般のマスメディアがとりあ
げなかったにもかかわらず、インターネット上で反響が広がりつつあるということです。(3/1付 朝日新聞にも載っていました。)
特に、日本共産党のホームページ上にある「動画サイト」(JCPムービー)へのアクセス数
は約半月で1万件近くになっているそうです。(この「JCPムービー」には他の共産党議員の
国会質問や日頃の動きも載っています。)派遣法改正し“労働者保護法に” 志位委員長が質問/ 2月8日、衆院予算委員会
志位委員長の質問の中で僕が注目したのは、厚生労働大臣との次のやりとりのところです。
○志位委員長:日立のグループ企業で、機械部品のワックス組み立て−鋳型をつくるためにロウ
でつくった部品を組み立てる仕事をしている若い女性の派遣労働者から、私たちにこういう
告発が寄せられました。
「派遣は五年目になります。ずっとワックス組み立てという同じ仕事をやってきましたが、
同じ『班』にいると、法律に抵触するということで、『班』だけ替えられてきました。
(中略)時給も5年間変らず、千円にもならず、年収は二百万円ほどです。ボーナスは一円
もありません。交通費もわずかしかでません。子どもがほしいけれど、産休をとろうとすれ
ば派遣で働けなくなります。とても産めません。正社員になりたい」こういう告発ですが、
派遣法制では、どんなに長くても派遣期間は三年までとなっているはずであります。ところ
がこの女性は五年間にわたって、同じ工場でワックス組み立てという同じ業務をおこなって
いながら、派遣先企業から直接雇用の申し出をうけておりません。企業側は「班」だけ替え
て、これは「同一業務」ではないとして、直接雇用の申し出をしてこなかった。私の知る限
り、こういうやり方は全国に横行しております。こういうやり方で、長期にわたって登録型
派遣という劣悪で不安定な状態のまま働かせつづけることが、いったい許されるのでしょう
か。
○舛添厚生 :もしいま委員がご指摘したような事例が本当のことであれば、これは企業の責任
労働大臣 を十分果たしていない。そしてこの法律に違反しているわけでありますから、き
ちんとこれにたいしては、法令違反にたいして法の第四八条第一項の助言または指導をおこ
ないます。そしてそれで是正されないときには、この勧告にしたがわないということで企業
の名前を公表しますし、派遣受け入れを許可しないという形で法律にもとづいて厳格に対処
してまいりたいと思います。
志位委員長はこのあとも、厚生労働省が出している「労働者派遣事業関係業務取扱要領」とい
う文書の中にある、脱法の勧めとも言える箇所を示して追求しました。
シオノギの製造部門においても、「クーリングオフ」期間と称して、派遣の人たちの働く「工
程」を替えることによって「同一労働」が継続しないようにしている実態があります。これはご
まかしではないでしょうか。
シオノギが自らの「コンプライアンス」に照らして、企業の社会的責任を果すことを切に望み
ます。
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