2006.12.2 J.J
杭瀬事業所では工場跡地がきれいな庭園になりました。芝生を敷いて木やパンジーなどの花が植えられ、真ん中には東屋風の建物も建っています。道は弧を描いてゆるやかに曲がり、ベンチもだれかに座ってほしげに陽に照らされています。
でもこの景色を見ることのない人たちもいます。何年か前に希望退職の名のもとで、やめていった人たちです。
つい最近では、業務委託費削減のため、シオノギは子会社との契約を解除し下請け業者に仕事を移しました。そのため、試験管などの器具洗浄作業に携わっていた子会社の女性たちは、時給が100円下がっても仕方ないとして転籍するか、辞めるかの決断をしなければなりませんでした。そして、ほとんどの方が無念の気持ちを残してやめていきました。
労働条件も下がるし、なにより元の会社のままで定年までいたかったのです。シオノギは業務委託費削減の名目でこの人たちを切り捨てました。
みどりの芝生におおわれて、きれいな花に彩られた庭園はきっと職場のひとたちの憩いの場になるでしょう。
でも私はやめさせられなければ残っていたであろう、おおぜいの職場の人たちとともにこの庭園を見たかった。退職強要や転籍や成果主義でいつも競争させられるストレスをかかえることのない会社であれば、もっと庭園も輝いて見えることでしょう。
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