しかし、その中身はというとヒューマンエラーが主要因であるとなっており、労働者に責任を押し付けるものです。なぜ品質に関する問題が発生しているのでしょうか。
2004年の製造部での大リストラ・配転などで、これまで培ってきた技術が継承されずに人件費削減も含めて、ベテランの技術者から経験の浅い派遣、契約などの非正規労働者に任せられました。当然ながら、きちんと技術を継承するための人材もいないし時間も十分に確保されませんでした。
製造設備についても、新工場など最新設備のものも一部導入されていますが、多くが導入後10年以上経過しており、30年以上前の設備もあり老朽化は明らかです。設備が古くても、稼動・品質に影響がなければ問題ありませんが、実際の製造現場では日々トラブルによる停止、不良品の処理などの対応で作業者が工程を走り回っています。また、計画量を確保するために残業、休日出勤で対応しています。
事故、品質異常を防止するために、以前は予防保全ということで定期点検もきっちり行われていましたが、生産性向上などの名目で事後対応になっています。また、事故・メンテナンス等で部品を交換しようと思っても、既にメーカーでの製造が中止されていることも多々あります。
我々、製造部門で働いているものは、シオノギの健全な発展のため、品質異常や市場クレームを少しでも軽減し、高い品質の製品を製造するため日々努力しています。この為にも、会社の上層部は、労働者に責任を押し付けるのではなく、現場の労働者の意見をよく聞き、きちんとお金をかけて、品質が維持できるシステムの構築、設備の更新、機能を付与すること、また、技術継承をきちんと行っていくための時間の確保と人材養成が必要ではないでしょうか。
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